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講演会前の時間を縫って、松本城に立ち寄ってきました。ここからの眺めが一番、きれいなところという場所から眺めた松本城。その概観は、今まで見てきたお城とは違う荘厳さを感じさせられました。白鷺城と呼ばれる姫路城の洗練さの対極にあるような佇まい。それは、外壁の黒という色が発する重厚感からでしょうか。それでいて、どことなく相反するような優美さも兼ね備えていました。

<武者窓>
城内を散策して、荘厳さの中の優美さ。その理由がわかった気がしました。武者窓といわれる窓がかもし出していたようです。武者窓とは、屋敷を警固するため、外の様子をうかがう目的でつくられた竪格子のある窓のこと。城内の説明では、内側からこの窓を見ると、外光をさえぎる明暗の縦縞が美しく、中でも、この窓が5連、あるいは3連ある天守2階の南と東側は城らしく、豪状な感じを与えているのだと言います。

収納のお話をするときに、「機能」と「インテリア性」の両方を満たそうというのは欲張りすぎ。バランスで選択しましょう。とお話するのですが、この武者窓には、監視という外の様子を伺う「機能」に加え、その構造がお城全体の美しさ、荘厳さをかもし出す要素になっていたというバランスの妙に、感心させられました。
<階段>
そして、急な階段を登るにつけて・・・・・・各階の階段は、あえて離れた位置にありました。そして、勾配は55~61度と激しく、さらに、一段の一段の蹴上は不ぞろいで、しかも高い。また下る時に気づいたのは、階段幅もまちまち。あえて不便な構造に作られています。それは、戦闘を意識し、敵の侵入に対して、守りやすく攻めにくい構造となっているとのことです。機能とは、便利にするだけが「機能」なのではない。あえて不便にすることによって得られる機能というものがあることを教えられた気がしました。
<空間構成>
さらに天守4階に登ると、それまでの室内の趣とは違う空間となっています。薄暗かった階下とは対象的に、四方から外向が入り、明るく広々とした印象を受けます。実際には、階下より狭いのですが、そこにはトリック(?)が隠されていたのでした。柱を少なくし天井を高くして、光を取り込むことによって得られる広がり感でした。さらに、この空間を広くも狭くも使うための工夫として、柱、鴨居、長押は鉋仕上げされ、鴨居の上に小窓があいた居室風に仕上げられています。また、敷居がないので、建具を使えないのですが、幕や屏風を利用して間仕切りをするなどの工夫によって、有事の際、城主の座所になったと言います。これらの空間の使い方は、現代の生活に取り入れ、応用可能なヒントといえるでしょう。

この中央に座すれば、戦乱の時代にタイムスリップ?
<暮らし>
様々なところに出かけて、まず見学したいと思うのは、自然のあるところでした。正直なところ建築物や構造物には、あまり興味を示すことがなかったのです。しかし、建物を見ているとそこに、暮らしのヒントが潜んでいることに気づかされます。また、展示物からは、当時の暮らしぶりを垣間見ることができます。
戦いに用いられた火縄銃からは、日本の刀という技術力が、伝来の地の教えを請うことなく、独自の鉄砲文化を作りだしたこと。またさらには、それを裏で支えていた女子の力。いつ訪れるとも知れない有事のために、当時、貴重な木綿を火縄にし、鉛弾を作り、携帯食料の干し飯、味噌作りを担って支えていたということ。そうした流れが、今の生活に結びついているのだということ。


そんなこんなを、松本城見学でポケットに詰め込み、松本城裏のそば処 もとき のおそばをお腹に詰めてあとにしたのでした。
松本城公式HP
白と黒のコントラストに加え、武者窓が優美さを添える

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