2002/06/08
放送業界に携わる女性の集いのお誘いを受け、参加させていただきました。記念講演に、招かれていた長野智子さん。長い間、あたためていた報道というフィールドが与えられ、模索しながらも、水を得た魚のように泳ぎ回り、担当する「ザ・スクープ」を通して、報道とは何か・・・を熱く語っていました。
真の報道とは・・・・・・一年前、あのテロ事件を通して、私自身も考えさせられていました。そして、ジャンルの違いはあるのですが、メディアという末席を汚させていただきながら感じさせられていること。
情報の受け止め方とは・・・・・・
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<記念講演より>
テロ事件直後の報道は、どこも横並び。正義のアメリカがこんな目にあってる。ビンラディンに武力攻撃をといったもの。「ザ・スクープ」では、この事件、単にどちらが善で、どちらが悪という単純なものでなく、背景にパレスチナ問題が存在する事件との認識から、横並び報道とは違う取材方針を打ち出して、取材対象を、イスラエルに向けたそうです。映像は、それを映し出し続けていきます。
取材を通して、彼女がそこに見たものは・・・・・
この問題の根は、宗教問題ではなく、政治の問題。貧困の差。パレスチナの子供達は、目を輝かせながら、「自爆テロをしたい。神様のところに行ける」と語るといいます。幹部へのインタビューで「なぜ、自爆テロという方法なのか?」に対し、「金のあるイスラエルへ対抗するのはこの方法しかない。」と。
パキスタンのアフガン難民キャンプ。この環境は劣悪で、子供は雑草のようなモノを食べています。そんな子供達に「今、欲しているものは何?」と問いかける。答えは「教育」と答えるのだそうです。
「字を習えば、本が読める。算数ができれば買い物ができる。先生にだってなれるかもしれない。」6~7歳の子供達が「教育を受ければ、夢が持てる。だから、教育が欲しい」と語るのだそうです。
アメリカ一辺倒の報道の傍らで、こうした取材を続けてきた長野智子さんは語ります。現場に足を運び、現地に身を置くことで、今、一番必要なことがわかる。それは「人の楯」 第三者による介入が望まれているということだと。
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ひょうきんアナの印象が強い長野さん。実は、ずっと、報道の仕事がしたかったそうです。16年越しにその思いがかなった。その志を抱いたきっかけを与えたのがのが上司の露木アナ。入社してまもなく、日航機墜落事故が起き、それを伝える露木アナを傍らで見続けていました。しばらくして現場の映像が入り、そこに生存者が映っています。しかし、この映像に関する情報、生存者に関する情報は一切ありません。この時、準備されていた原稿は、意味をなさしません。そう判断した、露木アナは、大量の原稿をゴミ箱に捨て、生本番に向かったといいます。原稿なしの30分のニュース。それをやりきったそのすごさに、呆然と立ちつくしてしまったそうです。そんな自分に露木アナが投げかけた言葉は・・・・・・
「今、起きていることを伝えるのが報道の使命だ!」
そんな言葉を残して、去ってゆく後ろ姿のかっこよさ。これが、報道を目指したきっかけなのだそうです。
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しかし・・・・・その希望とは裏腹に、バラエティー畑へと引きづり込まれていきました。自分の意志に反して。しかし、自分も嫌いではなかったためか、なんだか、ビッタリ、はまってしまいました。そんな中でも、「いつか報道を・・・」という気持ちは持ち続けていたそうです。
時は流れて、結婚退社、フリーへ。そして、中途半端にバラエティーをやっているのがイヤになってしまったようです。本気で、バラエティーをやっている方たちに対して、自分はどうなのか。キャリアを積んだ分、見栄や知ったかぶりも出てきたといいます。
ここで、一旦、全部をゼロにして1からやり直そう。たとえ、元の仕事に戻れなくても、自分のことを今より好きになれるのならと決心し、5年間、アメリカで大学に通うなどして吸収されました。
キャスター自らが、現地に飛び、りポートし、そして、スタジオで語る。そのリポートによって、その番組の質が決まるというそんな番組が、日本にもあれば・・・・・・そんなことを思いながら帰国して、与えられたのが、「ザ・スクープ」という番組だったのでした。
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ニュースの現場にいて、鳥越さんの姿勢を通して教えられるといいます。報道とは、かくあるべき・・・・と。
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関連:<情報とは? メディアは真実を伝えているか>
・第21回 民放東京支社に働く女性の集い(7/12)
「なにがあっても共に生きる道を選ぼう」
・第20回 民放東京支社に働く女性の集い(7/12)
メディアは真実を伝えているか
リレートーク(7/13)
・第19回 民放東京支社に働く女性の集い(7/12)←この記事
長野智子さんによる報道の現場のお話
・女性が働くということ>(7/13)
・女の人が働くことについて(01.3.16)(7/14)
・100年の物語から(7/14)
自分の求めている世界と、組織に属することで要求されたもの。その狭間で自分と向き合いながら、自分の進む道を選択してきた長野さん。
組織に属することで要求されたものが、公共の電波を通して発せられてしまう世界。しかし、これは組織に属していなくても流れの中で求められてしまうこともあります。
先日、長野さんと同じような葛藤を抱えていたらしい男性アナウンサーのことが、番組の企画となって放送されていました。
表向き、華やかなところにいるように見える人達の中でおきていることは、こちらからはわからないものです。こちらから見えている姿とは全く違うところで、人知れず葛藤を起こしていのでしょう。しかし、それまでもが、ネタとして企画として使われてしまう現実。組織に属するというのは、そういうことなのか・・・・・とちょっと考えさせられてしまいました。
悩みを抱えているのは一人だけではありません。しかしそこにスポットをあててもらえるというある意味、恵まれたポジションがあったわけです。その先、どう歩いていくかが問われるのだと思いました。
Posted by: honda | 2004.07.13 at 12:56